あらすじ
竜の加護によって栄える王国 アルヴェリア。
その頂に立つ者は竜王と呼ばれ、繁栄と破滅の両輪を抱き、孤独と絶望を背負ってきた。
アルヴェリア王国では、竜王が愛した者は必ず死ぬという呪いが、幾度となく歴史を繰り返してきた。
竜王であるリュシアンと、王を守るため側に仕える近衛騎士フィリア。
彼女たちもまた運命に翻弄される存在であった。
フィリアは八度、命を落としている。
そしてそのすべてを、リュシアンは王として、竜王として、見届けてきた。
九度目の世界。
国は竜王の支配のもとで歪み、民は疲弊し、王城には反乱の火が灯る。
真実を知ったフィリアは、剣を取り、王座へと向かう。
それは忠義でも反逆でもなく――愛を終わらせるための選択だった。
竜王として世界を背負う者と、騎士として剣を向ける者。
互いを想いながら、互いを斬らねばならない夜が訪れる。
これは救いの物語ではない。
何度壊れても、何度失っても、それでも愛を選び続けた者たちが辿り着いた、九度目の夜明けの物語。