あらすじ
稀代の天才魔女・アンゼリカは、森のすみっこで静かに暮らしていた。
薬草を使う闇魔術が得意で、穏やかで、ふわふわしていて、天然。
そんな彼女がある日突然、王城へ連れてこられる。
理由は――
「光の王子リュート様の“魔術教育係”になってほしい」という、国挙げての懇願だった。
美しくて優しい、どこか底の知れない王子。
授業中も手をとってきたり、距離が近かったり、甘い笑みを向けてきたり……。
アンゼリカは戸惑いながらも、五ヶ月間の授業をやり遂げる。
そして迎えた“最後の授業”。
アンゼリカが大好きな幻獣『獏』の話をしたとき、
王子の瞳がふと揺れた。
その理由を、彼女は知らない。
――リュートは『獏』の血を継ぐ者。
悪夢を食むはずの力は、いつしか“愛しい番の影を喰らう呪い”へと変質を遂げていた。
眠りに落ちたアンゼリカを抱きしめながら、
王子は静かに微笑む。
「ねぇ、アンゼリカ。君の“影”、喰らいつくしてしまったよ」。
優しさは執着へ。
光は闇へ。
そして、魔女の影は――永遠に王子に繋がれる。
甘く優しく、どこか狂おしい“影喰い”ファンタジー。