あらすじ
魔王を倒した勇者は、両親を殺した大罪人だった。
感情の色が見える看守長、阿久津響子。
彼女が管理するのは、視覚を封じられ独房に繋がれた青年、囚人番号零番。
「一度でいい。僕のことを、名前で呼んでくれませんか」
戦争という名の執行猶予。少年が戦場で何かを失うたび、
世界は平和に近づいていく。
欠損していく肉体、変質していく精神。
魔王討伐という「勝利」の先に待っていたのは
英雄への喝采ではなく、冷酷な排斥だった。
これは、一人の青年が「神」として消費され
歴史の闇に消えるまでの――あるいは、一人の看守が
彼を「人間」として見届けた記録である。
*全5話、3日間で完結予定です