あらすじ

-プロローグ-

 数百年前。

 超巨大隕石が落ちた日から、世界は終わり続けている。

 かつて大地を覆った都市群は砕け散り、骨だけを残した高層ビルが灰色の空に突き刺さっている。

 海は盛り上がり、大地は裂け、地図は意味を失った。

 だが人類を追い詰めたのは、災厄そのものではない。

 隕石の落下とともに世界へ滲み出た“何か”だった。

 それは形を持たぬまま増殖し、まるで地表そのものから滲み上がるように生物へと姿を変えた。

 後に“ヴォイド”と呼ばれるその存在は、声も、意思も、怒りさえ持たない。

 ただ、そこにあるものすべてを“消費”するだけだった。

 銃火器は通じず、逃げ場はなく、喰われた街はまるで最初から存在しなかったように静まり返る。

 やがて地表の95%が、彼らの影に沈んだ。

 隕石と同時期に地球全土へ満ちた異質のエネルギー、
 -ゼノ・マトリクス-

 その影響を受けたごく一部の人間は、自然現象を操る“シックスセンス”に目覚めた。

 彼らは“ホルダー”と呼ばれ、人類が唯一手にした反撃の芽となった。

 ホルダーを中心に興った対抗組織ゼノスは、七つの拠点を築き、残された5%の大地を守っている。

 しかし旧文明は遠く、ヴォイドはなお進化を続け、人類の息継ぎは細く、途絶えかけている。

 ――そんな荒廃の片隅で。

 瓦礫に埋もれた静寂の地下室。

 沈んだ闇の中で、ひとつだけ音が生まれた。

 静寂を破る、微かな呼吸音。

 それは長い眠りの底から浮上するように、かすかに、ゆっくりと――

 一人の少女が、目を開いた。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
アルファポリス
アルファポリス2026/01/19
  • 現在の作品ノヴァインパクト-産まれたら世界が壊れてました-