あらすじ
世界は、コインに見られている。
前世の記憶を持つ子供は、三歳まで生きられない――
それが常識の世界で、五歳まで生き延びた少年カルディ。
彼は「自分が誰だったか」だけを失い、
知識の輪郭だけを持って目覚めた“禁忌の子”だった。
家の商売のために刻まれた収納魔法は失敗作。
力を制御できず、家族から捨てられ、預けられた先で
初めて「守られる側の温もり」を知る。
やがてダンジョンで出会ったのは、
意思を持ち、記憶を持ち、世界を“見ている”コインたち。
――奪う者でも、勇者でもない。
収納し、放出し、すべてを叩きつける異質な力。
これは、
「勇者になれなかった少年」が
情報と契約と理不尽に巻き込まれながら、
世界の裏側へ踏み込んでいく物語。