あらすじ

大学の実習を通して、主人公は一人の男性と知り合う。 交わす言葉は多くない。けれど、実習後に届くメールのやりとりが、次第に彼女の日常に溶け込んでいく。 会えば距離を保ち、別れれば言葉が続く。 曖昧な関係の中で、彼女は自分の気持ちに名前をつけないまま、少しずつ惹かれていった。 やがて彼が、この場所を離れることを知る。 近づけば失うとわかっていながら、それでも彼女は望んでしまった。 何も始まらないまま、何かが確かに存在していた時間を。 引き止めることも、約束を交わすこともない別れ。 彼が去ったあとに残ったのは、後悔ではなく、選ばなかった未来への静かな実感だった。 季節が一つ進んだキャンパスで、彼女は思う。 だめだとわかっていたのに望んだ、その感情こそが、確かに自分を生かしていたのだと。

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カクヨム
カクヨム2026/01/19
  • 現在の作品季節がひとつ進む前に