あらすじ
「君を愛することはない。離れで好きに暮らすといい」
初夜のベッドではなく、執務室でそう言い放ったのは、夫である「氷の公爵」ジークフリート。
魔力過多による極度の不眠症で常にピリピリしている彼は、妻となった男爵令嬢リリアナを「魔除けの盾」として冷遇し、放置することを決めたのだ。
しかし、リリアナは前世で過労死した元社畜OLだった。
「衣食住保証つきのニート生活!? 最高かよ!」
彼女は歓喜し、独自のチートスキル【漢字付与】を使って、ボロボロの離れを最強の引きこもり要塞へと改造する。
煎餅布団には『雲』と書いて最高級ベッドへ。
ガタつく窓には『防音』『適温』と書いて完全空調完備へ。
そんなある日、不眠でふらついていた公爵が、リリアナの部屋に迷い込んでくる。
彼が何気なく座ったソファーには『猫(癒やし)』が付与されており――生まれて初めての「気絶レベルの爆睡」をしてしまった!
「このソファーを売ってくれ! あと君がいないと眠れない!」
「嫌です。愛することはないって言いましたよね?」
「言ったが撤回する! 頼む、寝かせてくれ(抱き枕にしながら)」
これは、職人気質でドライな引きこもり妻と、彼女の魔道具(と体温)に餌付けされ、なし崩し的に依存していく冷徹公爵の、安眠と溺愛の物語。