あらすじ
葛飾区金町の片隅に、三日間だけ現れる不思議な「BAR シオン」
そこに足を踏み入れた勝彦は、若き日の祖父と再会し、自ら塞いでいた家族の記憶と向き合うことになる。
その不思議なBARのひと時は、
祖父の願いと想い、父との確執、揺れ動く自分――その全てを“紫苑の花”のように記録し、やがて誰かと共有するための一夜。
勝彦が記憶の共有相手に選んだのは、一番近くにいて一番遠い存在、
恋人の晶子だった。
空のはずのボトルから注がれる煙のような酒を酌み交わすと、勝彦の
これまでの人生が彼女に明かされる…。
時を遡る夢のような夜を経て、二人が共に向かった場所とは――。
――日常では感じられない時間が流れるこのBARで、
自分の過去と未来、そして大切な人との関係を見つめ直す。
三世代をつなぐ、ちょっと不思議であたたかい、忘れられない夜の物語。