あらすじ
亡き父が遺した、見知らぬ男性への調査書。
その男・久世悠真が働く温泉宿「月あかり」を訪れた亮は、この場所に惹かれてしまった。
温泉はいつでも入れる。賄いは悠真が作ってくれる。
仕事は大変だけど、一日の終わりに露天風呂に浸かれば、疲れが溶けていく。
「俺、こんなに好きになったの初めてなんです」
父と悠真の過去を知っても、亮はここで働くことを選んだ。
季節が巡るたび、宿は表情を変える。
新緑、紅葉、雪景色――そして満月の夜。
悠真の抱える深い傷。
宿に秘められた100年の約束。
語られなかった真実。
それでも亮は、この場所が好きだった。
この宿で、悠真と共に生きていきたかった。