あらすじ
春の風がまだ冷たい四月。
人混みが苦手で、言葉より沈黙のほうが得意な少女・藤宮彩葉は、
中学生活の始まりに不安を抱えていた。
そんなある日、校庭に流れた吹奏楽部の演奏が、
彩葉の胸の奥に小さな震えを落とす。
それは、彼女がずっと好きだったアーティストのメドレー。
そして、風に乗って届いた“太鼓の音”。
気づけば、彩葉はその音を追いかけていた。
静かな日々の中で、ほんの少しだけ前に進むように。
体験入部で触れたティンパニの響きは、
言葉にできない気持ちをそっと揺らし、
やがて、誰かとの距離をゆっくり縮めていく。
音がつなぐ、静かで優しい恋の物語。
昨日より、ほんの少しだけ前へ。
~ 登場人物紹介(主要キャラ)~
■ 藤宮 彩葉(ふじみや いろは)・1年
静かで控えめ。初対面は声が小さく、距離も遠い。
でも、気を許した相手には急に距離が近くなるギャップ持ち。
音に敏感で、打楽器の響きに心を動かされる。
恋に気づくのも、ゆっくり。
■ 松本 ひより(まつもと ひより)・2年
吹奏楽部・打楽器パート。
明るくて優しく、初めての子にも距離が近い。
彩葉にとって最初に“心を開ける相手”になる先輩。
■ 美咲(みさき)・3年
打楽器パートのまとめ役。
見た目はクールで少し怖いが、根は面倒見がよく優しい。
彩葉の“音の基礎”を静かに支える存在。
■ ゆな・1年
彩葉のクラスメイト。
明るくて話しやすい。
彩葉の“学校での居場所”を作ってくれる友達。
〇ここから恋が動き出す二人
■ 桐谷 隼人(きりたに はやと)・1年
打楽器パートの新入生。
集中すると周りが見えなくなるほどのストイックさを持つ。
演奏中の姿は鋭く、近寄りがたいほど真剣。
でも、普段は少し抜けていて、
そのギャップに彩葉は気づかないまま惹かれていく。
彩葉にとって、
“音を通して最初に心が揺れる相手”。
■ 相良 一也(さがら かずや)・1年
隼人の親友で、同じく打楽器パート。
努力型で、明るくて、誰とでも話せるタイプ。
彩葉にも最初から優しく接してくれる。
隼人に憧れていて、
彩葉の気持ちにも薄く気づいているけれど、
自分の想いは胸にしまったまま。
彩葉にとって、
“安心できる存在であり、そっと支えてくれる人”。