あらすじ
主人公は、白黒の孤島で育った実験体の男の子、『赤月知識』。生まれつき色の無い世界で育った彼が初めて色を手に入れ飛び込んだのは、倫理観の崩壊したサイケデリックな世界。誰もが自分の命に何の価値もないことを自覚していて、生きることよりも死ぬことの方が当たり前で……彼はそんな死に満ちた世界に今日も苦しめられ、一人涙を流していた。
こんなに生きるのが苦しいのなら、もういっそ――何度も頭の中で繰り返す。
天井からぶら下がったロープの輪っかを見るたびに。鋭利な刃物を見るたびに。屋上から地面を見下ろすたびに。遠くからやって来る電車を見るたびに。
そして、それらをただ黙って見ているだけの自分を、見るたびに……。
彼はこう独白する。
「……どうしておれは、死なないんだろう」
そんな彼が答えを探し出す、彩り豊かな物語。