あらすじ

鑑定士は、世界を数値で測る仕事だ。  魔力、適性、耐久、成長率──定められた基準に従い、すべてを同じ物差しで評価する。  だが、その鑑定士は追放された。  理由は単純だ。  彼の鑑定は「正しい」のに、「揃っていなかった」。  同じ対象でも、使い方や条件によって結果が変わる。  それを前提にした彼の鑑定は、再現性がないとされ、“無能”と判定されたのだ。  ギルドは正しい。  基準も正しい。  だからこそ、制度は彼を切り捨てた。  しかし、現場では別の問題が起き始める。  数値は合っているのに、選べない。  注意書きが増え、判断は保留され、事故は減ったが、納期は遅れる。  やがて「判断しないこと」そのものが、コストとして積み上がっていく。  誰が決めるのか。  誰が責任を負うのか。  正しさの代金は、誰が払うのか。  本作は、感情で敵を打ち倒す“ざまぁ”ではない。  人ではなく、評価基準そのものを問い直す物語だ。  主人公は最強にならない。  声高に正義を叫ばない。  ただ、世界が見落としていた「判断の前提」を、理屈で一つずつ露わにしていく。  その鑑定は正しい。  だが、判断できない。  無能と切り捨てられた鑑定士が示すのは、  “正しさ”より先に考えるべき問いだった。

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カクヨム
カクヨム2026/01/18
  • 現在の作品無能判定された鑑定士、理屈で世界の“評価基準”を書き換える