あらすじ
「婚約破棄だ、フィーネ。君との縁はここで終わりにする」
聖女エルザに心を奪われた婚約者ルーカスから、突然の婚約破棄を言い渡された。
悲しい? いいえ。私はもう、この人に何も期待していない。
だから私は、静かにこの手を離すことにした。
未練も抗議もなく、ただ去ろうとした私の前に――北領公爵ヴァルターが立ちはだかる。
「質屋で見つけた。お前が贈った懐中時計だ」
亡き母の刺繍を施した、私の誠意の証。あの人は、それすら捨てていたのだ。
夜会で明かされる嘘。崩れ落ちる元婚約者。そして、差し出された手。
――手放すつもりだった未来が、思わぬ形で始まろうとしていた。
※約10,000字/ざまぁあり/ハッピーエンド保証