あらすじ
地方都市・星見市。
市役所前広場で行われた小さなイベントの最中、市議会議員・白川徹が突然倒れ、死亡した。死因は「不慮の事故」。しかし現場に居合わせた元新聞記者・相馬直人は、ある違和感を覚える。
事件直前、広場上空には市のPR用として飛行していた一機の高性能ドローンがあった。だが、事故が起きた“決定的な三十秒間”だけ、その映像記録が欠落していたのだ。
職を失い、地方に戻り、孤独を抱えながら生きる相馬。
彼は「偶然」にしては整いすぎた状況に疑問を抱き、独自に調査を始める。
浮かび上がる三人の関係者――
被害者と確執を抱えていた市役所職員。
過激な告発をSNSで続けていた地元活動家。
そして、ドローンの運用を任されていた若い女性オペレーター。
誰もが怪しく、同時に無実にも見える。
ドローンは事故を撮っていない。しかし、撮っていないからこそ分かることがあった。