あらすじ
魔王との最終決戦。俺、アレンは仲間の聖女・リシアを庇い、その命を散らした。 愛する仲間を守り、世界を救い、惜しまれながら逝く。 それは、英雄としてこれ以上ないほど完璧な「自己犠牲」の結末だった――はずだった。
「――おはよう、私の英雄様。もう二度と、痛い思いはさせないからね」
意識を取り戻した俺の目に映ったのは、天国のお花畑ではない。 死んだはずの俺を抱きしめ、ハイライトの消えた瞳で微笑むリシアの姿と、冷たい地下室の天井だった。
彼女は俺を失った絶望のあまり、国を裏切り、神を欺き、禁忌の《死者蘇生》に手を染めていたのだ。 しかも、蘇生の代償として俺の身体は全盛期の力が出せない状態に。
「世界なんてどうなってもいい。貴方がいない未来なんていらない」 「外は危ないから、ずっとここにいてね? 食事も、お風呂も、全部私がやってあげる」
世界を救った俺を待っていたのは、王としての栄光でも、民衆からの称賛でもない。 愛が重すぎて闇落ちした聖女による、至れり尽くせりの『完全介護付き・監禁生活』だった。
これは、死に場所を間違えた元・英雄と、彼を愛しすぎて壊れたヒロインによる、逃げ場のない甘い地獄の物語。