あらすじ
辺境の港町で地図工房の下働きをする少年リオは、落ちた流星の欠片から作られた禁忌の墨「夜墨(よずみ)」を偶然手に入れる。
その墨で地図に線を引くと――描いた線どおりに世界の地形が“上書き”されてしまうという、とんでもない力が宿っていた。
同じ夜、帝国の秘密組織《星喰い》に追われる王女セラと出会い、リオは彼女と共に逃亡することになる。
追手は星の力で地形や道を改変し、国をねじ曲げ、戦争を有利にする怪物じみた連中。
対抗できるのは、夜墨を持つ“地図師”だけだった。
元の暮らしに戻れなくなったリオは、セラの導きで「地図が届かない世界の縁」――《白紙海》の向こうを目指す。
そこには、夜墨の真実と、帝国の星喰いを止める鍵が眠る古代塔《セレスティア》があるという。
剣でも魔法でもなく、「描く」ことで道を生み、城壁をずらし、戦場を変える。
地図が現実を写すのか、現実が地図に従うのか。
世界地図そのものを巡る争いの中で、少年は“線一本”で運命を描き換えていく――。