あらすじ
木屋町通の町家カフェに掲げられた、江戸末期の「最後の暦師」が遺した未投函の手紙。そこには、官命によって暦を奪われた男の、静かな反抗と祈りが綴られていた。
『あの日、君と結ばれる日を「仏滅」と記しました。迷信とされる日だからこそ、誰にも奪われない特別な日にしたかった。君に会えたこの日のために幾千もの星が巡ったことを、誰が迷信と言えるでしょう』
2026年、アフターコロナの喧騒の中で結婚式の日取りに悩む私たち。
「仏滅」という世間の影に怯える背中を、百数十年前の切実な愛がそっと押し上げる。 恐怖を描いた第1弾『叶影神社』とは対照的に贈る、時を超えた光と影の物語。