あらすじ
🔴「💞霊視する女子大生の禁忌録」、https://x.gd/HDGIY の補足、外伝。
現代の医学をもってしても解明不能な怪異、その根源を辿れば、古代インドの陽炎の中に一人の魔性の女が浮かび上がる。名は華陽夫人。絶世の美貌と、触れる者を蕩かす柔肌を持つ彼女は、カピラヴァストゥの若き太子・班足の理性を奪い、淫らな熱情で王国を破滅へと導いた。
本作は、シリーズ本編で語られる「狐の憑婚」の背景にある、九尾の狐の数千年にわたる流浪の歴史を解き明かす劇中エピソードである。班足太子の逞しい肉体が、華陽夫人の甘い吐息と鋭い爪によって「苗床」へと変えられていく官能的な描写。そして、中国の悪女・妲己、日本の玉藻前へと姿を変えながら、王の精気と国の運命を喰らい尽くしてきた妖狐の真実。
最強の捕食者として王を操る華陽夫人の前に現れたのは、実体を持たぬ夢魔・スナーヤミラーと、かつて聖職にありながら情欲に堕ちた使者・マイトリーイ。自らが数多の男たちに与えてきた「底なしの情欲」を、逆流する熱流として自らの肉体に叩き込まれたとき、神獣としてのプライドはドロドロの液体へと熔解する。
夢魔が与えるのは、肉体を超越した「魂の蹂躙」。一本一本が独立した生き物のように震える九本の尾、白目を剥いて悦楽の深淵をさまよう絶世の美女。支配者から被支配者へと堕とされ、夢魔たちの「愛玩動物(ペット)」へと成り下がっていく九尾の狐の凄惨かつ官能的な姿。
この執念は、殷の妲己、日本の玉藻前、そして現代の岩手・小野能勢村へと連鎖していく。
なぜ、岩手の寒村で若き女性の背に獣の毛皮が生じなければならなかったのか。その答えは、単なる精神疾患でも皮膚病でもない。数千年の時を越え、海を渡り、いまなお人の情愛を糧に増殖を続ける「憑きもの」の執念にある。
エロティシズムとホラー、そして精緻な神話的考証が交錯する、九尾の狐伝説。アンヌ医師と、霊視能力を持つ真中真理子が挑む怪異の「正体」。古代の業火に焼かれた、甘く残酷な愛の記憶を体験。