あらすじ
中学の図書館で交わした、たったひとつの会話。
「読み終わったら教えてね」
――その何気ない言葉が、ずっと心に残っていた。
読書好きな白石結(ゆい)は、偶然声をかけてくれた一ノ瀬悠(ゆう)に淡い恋心を抱く。
けれど彼はどんどん遠い存在になっていき、話しかける勇気も持てないまま、月日は流れた。
それでも、彼の姿を探してしまう。
彼の声に胸が高鳴る。
終わったはずの初恋を、まだ手放せずにいる自分に気づく。
すれ違い、誤解、そして“本”に託された約束。
変わらないようで少しずつ変わっていく関係の中で、
結は気づく――あの日の言葉が、偶然なんかじゃなかったことに。
これは、想いを伝えそびれた少女と、
想いを伝えたくて待ち続けた少年の、
切なくて、愛おしい、再会の物語。