あらすじ

「お姉ちゃんなんだから」 その言葉とともに、語り手は幼い頃から“期待に応える役割”を生きてきた。 弟が生まれてからも、学校でも、家庭でも、 頼られ、任され、我慢することが当たり前になる。 嫌でも、苦しくても、「大丈夫」と笑っていれば、誰も困らないから。 やがて彼女は、ふと願ってしまう。 ――もう、誰にも期待しないでほしい、と。 その願いは叶えられる。 母も、弟も、学校の人間も、彼女に何も求めなくなる。 頼られない日々は、確かに楽だった。 責任も、重荷も、役割もない。 だが同時に、彼女は気づいていく。 期待されない世界では、自分から動く理由も、ここにいる意味も、少しずつ失われていくことに。 重さから解放されたはずの心は、 今度はどこにも繋ぎ止められず、静かに浮かび始める。 期待は、呪いだったのか。 それとも、生きるための重力だったのか。 答えを見つけられないまま、 彼女は「期待されない自分」として、今日も静かに存在している。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/01/17
  • 現在の作品無重力の星