あらすじ
「聖女リアナ。貴様を死刑に処す」
国を救うために魔力を使い果たした聖女リアナは、用済みとして処刑台に送られた。民衆は罵声を浴びせ、かつての仲間(勇者)は冷たく見下ろす。絶望の中、彼女が最後に零した一筋の涙。
それを、一人の男が「収穫」しようとしていた。
暗殺者ジン。裏社会で「死神」と恐れられる彼は、彼女の『死体』を回収する依頼を受けていた。だが、その瞳の輝きを見た瞬間、ジンの魂に説明のつかない衝動が走る。
「仕事の内容を変える。――その女は、俺の獲物だ」
振り下ろされた処刑人の斧を粉砕し、ジンは数千の兵が囲む処刑場から聖女を強奪した。
「なぜ私を助けるのですか……? 私はもう、力のない無能なのに」
「勘違いするな。お前を高く売るためだ」
口では冷たく突き放しながらも、傷ついた彼女に極上の食事を与え、追ってくる王国軍を一人で殲滅し続けるジン。その圧倒的な背中を見るうちに、リアナの枯れ果てたはずの瞳に、再び光が宿り始める。
これは、世界に捨てられた聖女と、世界を敵に回した暗殺者が、偽りの正義を蹂躙しながら真の愛を見つける物語。