あらすじ
雪が降るたび、町がきらめく。
その光を、人々は「冬の祝福」と呼んでいた。
けれど、時計直しの少女ミレイだけは、
その輝きを少し遠くから見つめている。
彼女の時間は、ある出来事を境に、
静かに止まったままだった。
ある冬の日、
ミレイは“普通ではない時計”と出会う。
それをきっかけに、
町の時間、雪の光、そして自分自身の心が
少しずつズレ始めていく。
旅の途中で出会うのは、
止まった時間を抱えた人々。
進めなくなった想い。
揃いすぎた世界。
そして、再び深まりゆく冬の気配。
これは、
失った時間を取り戻す物語ではない。
止まってしまった心と、
それでも流れ続ける世界が、
もう一度、並んで歩き出すまでの物語。
静かで、やさしくて、
それでも確かに胸に残る――
冬のきらめきをまとった童話。