あらすじ
駅前に新しくできた白いカフェ。
白いテラス席。
気づくと、いつもそこにいる白いネコ。
この街では、ときどき
「確かにあったはずのもの」が、
理由もなく曖昧になる。
探していたはずの人。
そこに居合わせた誰か。
きちんと終えたと思っていた出来事。
そして、手放してもいいと感じてしまったもの。
誰も嘘はついていない。
大きな事件も起きていない。
それでも、何かが少しだけ、ずれている。
「今日は平和だったな」
そう言われて、頷いてしまう。
白む街は、何も言わない。
だからこそ、問いだけが残っていく。
※この物語は、
街に関わる人々の視点を少しずつ変えながら描かれる連作短編です。