あらすじ
俺が勤めていた病院が、ある日突然買収されました。
ドラマのような劇的な幕切れではなく、パチンコの演出のようにダラダラと続く「激アツ」の予兆の果てに、あっけなく。
今までのような「なんとなく」が許された牧歌的な職場は消滅。
新しい経営陣、謎の役職「次長」への降格、飛び交う横文字。
40代、平社員(一兵卒)、管理栄養士。
役職なんてないから関係ないと思っていた俺にも、組織再編の波は容赦なく押し寄せます。
そんなある日、新体制から送り込まれてきた女性スタッフに言われた一言。
「ねえ、それ。ソープで書いたほうがいいよ」
――ソープ? え、あのお風呂の? この殺伐とした職場で、まさかの福利厚生?
0.5秒の間に脳内を駆け巡った、男の悲しい勘違い。
そして突きつけられる「SOAP(主観・客観・評価・計画)」という医療記録の現実。
これは、組織の論理に飲み込まれながらも、マニュアルという名の「思考停止の楽園」に安住の地を見出していく、ある中年管理栄養士のささやかな抵抗と順応の記録です。
社会の歯車になりきれないあなたへ。
組織変革のストレスに胃を痛めているあなたへ。
そして、うっかり聞き間違いをして恥をかいたことのある全ての同志へ捧げます。
少しだけ笑って、少しだけ「あるある」と頷いてもらえれば成仏できます。