あらすじ

二〇二六年一月十五日。設計図面のトレース業務を在宅で行う〈私〉は、毎朝の習慣として、自宅の各所を計測している。レーザー距離計とコンベックスによって記録される数値は、昨日よりもわずかに、しかし確実に変化していた。 部屋は伸び、縮み、傾き、天井は下がり、通路は消失していく。家具は動かず、壁や床に目立った損傷もない。変化しているのは「空間」そのものだった。消防設備点検の作業員ですら、その異変を言葉にする。 〈私〉は原因の追及や恐怖に囚われることなく、ただ数値を記録し、生活を続ける。ミリメートル単位で圧縮されていく居住空間の中で、今日も床面積と天井高を測り、明日の安全を定義する。

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小説を読もう2026/01/17
  • 現在の作品一ミリメートルでも居室