あらすじ
愛は不確定な変数でしかない。
公爵令嬢ミラベルにとって信じられるのは、決して裏切ることのない数字だけだった。
婚約者から横領の濡れ衣を着せられた彼女は、弁明も涙も捨てて即座に損切りを選び国を出る。
逃げ込んだ隣国の冒険者ギルドは、どんぶり勘定で破綻寸前の泥舟だった。
そこで彼女は剣でも魔法でもなく、複式簿記という武器を抜き放つ。
無駄を削ぎ落とし、利益を生み出し、経済という暴力で理不尽な元婚約者たちを追い詰めていく。
けれど、豪快なギルド長が向ける純粋な好意だけは、どんな計算式にも当てはまらない。
冷徹な計算機は、果たして計算外の幸せという黒字を叩き出せるのか。