あらすじ
眠る前、胸の奥に“お達し”が届く。――記憶をひとつ選べ。
捨てた思い出の重さに応じて、翌日、彼は不思議な力を得る。けれどその力はいつも微妙にズレていて、代わりに心と人間関係が少しずつ歪んでいった。
現代日本から来た男は、異世界で**「トオル」と名乗り、冒険者ギルドの雑務から始める。彼の傍らには、言葉を持たない動物精霊ミメル**。そして、彼を“行方不明の男に似ている”と静かに見つめるギルドの記録係レイナがいた。
強くなるために捨てるほど、大事なものが分からなくなる。
それでもトオルは、毎夜の選択をやめられない。
――何を捨て、何を残して生きるのか。
記憶と引き換えの力で、人の事情に触れていく“選択の冒険譚”。