あらすじ
警視庁公安三課。右翼・民族主義団体の活動を監視するのが任務だが、冷戦期以来、右翼との癒着がはびこっている。
その中で、第6係長・神崎広憲警部補は右翼団体を隠れ蓑にする実質的な暴力団「偽装右翼」の犯罪を容赦なく摘発していく。
神崎の父・昭は「尽忠報国誠忠組別撰隊」と名乗る者に射殺された新聞記者だった。「父の仇を討つ」一念で神崎は右翼と対決姿勢をとり続けている。公安三課は「癒着派」と神崎たち「対決派」に分裂。解体も検討されたが、「対決派」の警官たちを集めて新たに「第6係」が発足した。
神崎の妹・玲子は警察庁のキャリア官僚だ。神崎は玲子から極秘の捜査情報を知らされる。
陸上自衛隊の実戦部隊指揮官・隊付将校に、中国の女性諜報部員・劉麗華が接触している。劉が所属する「華頂ファンド」は、人民解放軍のフロント企業で、これまで東南アジアで軍によるクーデターを扇動して親中政権を樹立する工作を行なってきた。玲子は、劉と接触する宇佐美大樹1尉が所属する第一普通科連隊に、潜入捜査官を送り込んで内偵を進めているという。
ところが、内偵を始めて間もなく宇佐美が射殺死体で発見された。玲子も、公安警察の司令塔〝ゼロ〟の理事官・河合警視正から内偵の中止を指示され、米国FBIへ出向を命じられた。
神崎は玲子から秘密裡に自衛隊内の捜査を続けてほしいと頼まれる。神崎は潜入捜査官の本郷巡査長と接触するが、なぜか本郷は部隊を離れて福岡に向かい、凶弾に倒れてしまう。射殺される直前、本郷は劉麗華と行動していたことが判明する。
神崎は福岡の街で劉を追跡するが、逆に中国側に捕らえられてしまう。神崎の前に現れた劉は、宇佐美と本郷の殺害を否定する。
劉によれば、隊付将校たちは現政権を打倒し、対中強硬派政権の樹立をめざすクーデタ―を計画している。
さらに「クーデター計画にはあなたのお父さま、神崎昭さんの死が関わっている可能性が高いと私たちは見ています」そう告げて、劉は神崎の前から姿を消した。
自衛隊はクーデターを起こすのか? 仕掛けるのは中国か? あるいは別の黒幕か? クーデター計画と「別撰隊事件」との関わりは? 事件の被害者遺族である公安警察官が謎の解明に挑む。