あらすじ
八百万の神々、妖怪、付喪神、魔法生物たちが人間と共存し、国民の誰もが"雅号"と呼ばれる特殊な力を一つ以上持っている国、日本。
描いたものに命を吹き込み、実体化させる雅号『画龍現実《かいたりゅうまことになる》』を持つ浅野舜一郎は鎌倉で指折りの名家の長男だったが雅号の制御が出来ず、家を放逐されてしまう。目にした文字を全て理解するもう一つの雅号『文字万象図書館《もじいっさいをしょぞうする》』を活かした職探しも上手くいかない。そんな時に友人で鎌倉にある慧安寺の住職を勤める龍一と再会した。
龍一は舜一郎に「源川屋の婿にならないか」と勧める。なんでも東京泉岳寺にある着物屋《源川屋》は美しい花の着物を仕立てることで神々にも評判が良いのだが、主人は最近病で伏せがちだ。その着物屋の跡取りは一人娘の為、婿を取る必要がある。大層美しい女性なのだがどんな見合いにも頑として首を振らないと言う。自分が選ばれるとは思わなかった舜一郎だったが顔を上げて目があった瞬間その女性、源川清花に惚れてしまう。それは清花も同じだった筈だが、結婚後彼女は急によそよそしくなり……