あらすじ
絶海の孤島に建つ、白と黒の市松模様が不気味に広がる奇妙な洋館――『六駒館』。
かつてチェス界の王座に君臨した伝説の棋士・九条兼重は、自身の身に迫る殺意を予感し、一人の男を島に招き入れた。数々の難事件を解決に導いてきた、知略の名探偵・蓮見である。
しかし、蓮見が島へ足を踏み入れた直後、吹き荒れる嵐とともに惨劇の幕が上がる。
最初の犠牲者は、依頼人であるはずの九条兼重本人だった。内側から厳重に鍵がかけられた「完全密室」の中で、彼は胸にナイフを突き立てられ、その膝の上には嘲笑うかのようにナイトの駒が置かれていた。
混乱に陥る九条家の親族たち。嵐によって外界との連絡は絶たれ、島は巨大なチェス盤のような牢獄と化した。