あらすじ
魔力を使うと、身体が壊れる。
先天性の魔力欠乏体質と、過去の事件によるトラウマを抱えた冒険者フィオは、剣だけを頼りに一人で生きてきた。
辺鄙な土地ばかりを巡ってきた彼が、久しぶりに辿り着いた大きな街。
人混みと騒音に呑まれ、過呼吸を起こしたその時、手を差し伸べてくれたのは、最強クラスの冒険者・カイだった。
仮の同行から始まった二人の時間。
魔力を制御できず、使うたびに体調を崩すフィオと、他者を支えることに長けたカイ。
互いに「守れなかった過去」を抱える二人は、距離を測りながら、少しずつ関係を築いていく。
だが、病は治らない。
トラウマも、簡単には消えない。
支え合うことは、時に依存と境界を曖昧にする。
それでも――
一人で抱え込むことをやめ、誰かと向き合う選択はできる。
これは、壊れそうな冒険者が、最強の相棒と共に、閉じていた距離を少しずつほどいていく物語。
※男性同士の親密な描写を含みますが、恋愛の明言はありません。