あらすじ
目を覚ますと、俺は砂漠の真ん中で磔にされていた。
助けてくれたのは、同じく追放された現地人の女・ニア。
ここは、かつて遊び尽くしたゲームと酷似した世界。
しかも俺は、レベルだけはカンストした状態で転生していた。
――これは夢だ。
そう思い込み、恐れを知らずに異世界を歩く俺。
序盤の敵なら、知っている動きと普段使っていたスキルだけで十分に対処できる。
だが、ある戦闘で受けた一撃が、
肉を裂き、骨を揺らし、呼吸が止まるほどの激痛をもたらす。
痛い。あまりにも、現実的すぎる。
さらに気づく。
俺には見えるステータス画面が、
ニアや他の人間には「存在しない」という事実に。
しかも、そこに表示されるのは――
見覚えのあるスキルと、欠け落ちたレシピの数々。
この世界は、完全なゲームの再現ではない。
知っているはずの手段が、なぜか使えない。
夢だと信じたいまま、
俺は「失われたスキルとレシピを取り戻し、
世界を攻略すれば元の世界に帰れる」という仮説を立てる。
家族の待つ現実へ帰るために。
そして、隣で剣を握る彼女を守るために。