あらすじ
【勇者召喚システム:概要】
本システムは、
国家魔力供給を安定させるために構築された召喚装置である。
五年に一度、
同一個体を「勇者」として召喚し、
規定の工程を経て魔力を回収する。
召喚対象は、
死亡後も次回召喚時には生存状態で確認されており、
運用上の問題は発生していない。
――少なくとも、記録上は。
【観測ログ】
・対象は毎回、状況を理解できない
・記憶の継続は確認されていない
・恐怖反応、混乱、拒否反応あり
・それでも工程は完遂される
【エラー報告】
・補助担当者による感情的干渉
・対象との関係性の固定化
・対象が「自分の過去」を疑い始める兆候
【警告】
システムは「勇者」を想定しているが、
召喚されているのは一人の人間である。
本記録は、
勇者召喚システムに対する
ログであり、
エラー報告である。