あらすじ
――味覚神経が、切れるかもしれない。
料理人の枢(くる)にとって、それは死刑宣告と同じだった。
真面目でこだわりが強く、五段階評価の痛みすら「人生最大」と比較して悩んでしまう彼女。
そんな彼女を支えるのは、天然で計画性ゼロ、けれど圧倒的な肯定感を持つ夫・陽直だった。
手術、味覚障害、 自分の存在価値を見失いかけた時、救いとなったのは、一本のコーラと、夫が書きなぐったデタラメな計算式だった。
欠けた耳と、変わってしまった舌で、今日もお客さんに「美味しい」を届ける。 ちょっとだけ個性的な、夫婦の物語。