あらすじ
「九万円合わない。……吐きそうだ」
深夜二時、一円の誤差に悶絶する超絶社畜経理・有馬弥太郎。
彼は事故物件の自宅から、あろうことか「聖女」の身代わりに異世界召喚されてしまう。
王族から「一生ニート生活」を約束された弥太郎だったが、染み付いた社畜根性がそれを許さない。
「働かないと死ぬ!」と発狂した彼が辿り着いたのは、横領と杜撰な管理が蔓延る、崩壊寸前の国家財政庁だった。
支給されたのは、破棄書類の目印とされる「蒼墨(あおずみ)」のインクの万年筆。
周囲が彼を無能と見なす中、弥太郎は愛用の万年筆を手に、脳内の算盤(エア・アバカス)を弾き始める。
「気合で戦争に勝てる? 寝言は帳簿を合わせてから言ってください」
戦地で腐った飯を食わされる兵士、高級ワインを飲み歩く将軍、そして兵站を軽視する脳筋の猛将エルヴィン。
弥太郎が「蒼墨」で綴る一筆は、どんな魔法よりも冷酷で、どんな剣よりも鋭く、異世界の腐敗を切り裂いていく。
これは、一人の事務屋が「数字」と「物流(ロジスティクス)」で、世界最強の軍隊を完封するまでの物語。