あらすじ
「君は神経質すぎて息が詰まる」
そう言われて婚約を破棄され、国外の森へ捨てられたヴィクトリア。
彼女が辿り着いたのは、埃とガラクタに埋もれた廃墟のような離宮だった。
そこで出会ったのは、泥にまみれて倒れていた一人の男。
かつて国を救った英雄でありながら、今は心を閉ざしてゴミの中で眠る大魔導師シリス。
前世で清掃のプロだった彼女にとって、目の前の汚部屋は絶好の狩り場にすぎない。
モップを聖剣のように構え、彼女は宣言する。
「排除します。私の視界に入るすべての汚れを」
床を磨き、窓を拭き、ついでに薄汚れた同居人もお風呂でゴシゴシ洗濯する。
泡の中から現れたのは、息を呑むほど美しい銀髪の青年だった。
一方、彼女を追い出した王城では、掃除の魔法が解けたことで未曾有の汚染パニックが始まろうとしている。
ただ綺麗に暮らしたいだけの令嬢は、拭き取った汚れの下から何を見つけ出すのか。