あらすじ
『あなたの星を、見届けるまで』
人が星から星へ旅することが当たり前になった未来。
少女・ユイは、生まれつき重い病を抱えており、もう長く生きられないことを知っていました。
ユイには、ひとつだけ強い願いがありました。
それは――
**「自分が生まれた星を、宇宙から見てみたい」**ということ。
その旅のパイロットとして選ばれたのが、少女・アオイです。
アオイは冷静で腕のいい操縦士。
この仕事も、最初は「依頼された任務のひとつ」として引き受けました。
宇宙船での長い旅の中、
ふたりはさまざまな星を巡ります。
静かな氷の星、誰もいない砂の惑星、
かつて人が住んでいたけれど、今は忘れ去られた星――。
そのたびに、ユイは嬉しそうに話します。
星の美しさ、宇宙の広さ、
そして「生きている今」がどれほど大切かを。
一方アオイは、
ユイが少しずつ弱っていくことに気づきながら、
「どうして終わりが分かっている旅を続けるのか」
「どうして自分は、こんなにも彼女を気にしてしまうのか」
答えの出ない気持ちに戸惑っていきます。
やがてふたりは、
ユイが生まれた星の近くまでたどり着きます。
窓いっぱいに広がる、青く輝くその星を見て、
ユイは静かに微笑います。
「この景色を、あなたと一緒に見られてよかった」
旅の終わりは、ユイの命の終わり。
それでもアオイは、この旅を後悔しません。
なぜなら――
限られた時間でも、誰かと心を通わせた旅は、
確かに“生きた証”として残ると知ったからです。
これは、
終わりが分かっていても一緒に旅をする意味を探す、
ふたりの少女の、静かであたたかな巡礼の物語。