あらすじ
私立桜須学院高校。
“三大最強部活”と称される陸上部・水泳部・科学部には、それぞれ圧倒的な実力と信頼を兼ね備えた三人の部長がいる。
陸上部主将・川瀬涼賀。
水泳部主将・渡邊拓海。
科学部部長・坂上大夢。
彼らは長い時間を共に過ごしてきた幼馴染だった。
しかし現在、涼賀と拓海の間には、誰も触れようとしない距離がある。
同じ校舎にいながら、視線を合わせることもなく、言葉を交わすこともない二人。
その空白を、静かに見守り続けているのが大夢だった。
部活動、進路、卒業。
限られた時間の中で、それぞれが「最後の一年」を全力で駆け抜けていく日々。
笑い合う時間もあれば、胸にしまい込んだ想いが揺れる瞬間もある。
やがて少しずつ明らかになっていく、三人の過去と選択。
避け続けてきた関係と向き合う時、彼らが出す答えとは――。
これは、
同じ夢を見て、違う道を選び、それでも前に進もうとする三人の、卒業までの物語
登場人物
川瀬涼賀
陸上部主将。温厚で面倒見がよく、後輩や仲間からの信頼も厚い。
中学時代から短距離走で全国大会を経験している。
幼馴染である大夢とはとても仲が良い。一方、拓海とは意図的に距離を置いており、校内でも顔を合わせないようにしている。様子。
川瀬由嗣
涼賀の父、涼賀を男手ひとつで育ててきた父親。
仕事と子育てを両立しながら、息子の競技人生を静かに支えてきた。
多くを語らず、干渉もしないが、涼賀の変化には誰よりも敏感。
涼賀が小さい頃から面倒を見てくれている身内への感謝を忘れず、涼賀にもその姿勢を背中で伝えている。
坂上大夢
科学部部長。成績優秀である。
涼賀と拓海とは小学校からの幼馴染。科学オリンピック県大会では1年生で2位、2年生で3位という実績を持つ。
涼賀と拓海の亀裂について全て知っている。
渡邊拓海
水泳部主将。小学時代から水泳を続けてきた実力者で、常に自分に厳しい。
中学時代は体力づくりの向上として陸上にも励んだ。涼賀と共に全国大会にも出場しており、陸上でも活躍していた。
水泳でも優秀な成績を収めており、中学時代は全国大会に入賞している。
練習中は感情を表に出さないが、部員一人ひとりのことをよく見ており、信頼も厚い。
陸上部主将・涼賀とは現在ほとんど言葉を交わさず、互いに避け合う関係にある。
高校に入ってから、陸上と水泳どちらをやるかで悩み、悩んだ結果水泳をやることを決める。