あらすじ
「アイリス! 貴様のような無能は、我が国に不要だ!」
王立学院の卒業パーティ。公爵令嬢アイリスは、婚約者である第一王子エドワードから非情な婚約破棄と国外追放を言い渡される。
理由は、彼女の魔力測定値が「ゼロ」であり、聖女リリアへの嫌がらせを行ったという冤罪だった。
しかし、王子たちは知らなかった。
アイリスの魔力が「ゼロ」だったのは、あまりに高純度すぎて測定器がエラーを起こしていただけだということを。
そして、彼女が裏で王国の魔導炉を密かに『浄化』し、国の崩壊を食い止めていた真の功労者であることを。
「……ふふ、ようやく自由になれるわ」
全てを捨てて隣国のノースランド帝国へと亡命したアイリス。
そこで彼女を待っていたのは、強すぎる魔力の暴走で不眠症に陥り、「氷の皇帝」と恐れられるカイルだった。
アイリスの持つ「魔力浄化」の力は、皇帝にとって唯一の安らぎ。
「お前を離すつもりはない。私の隣で、一生眠ってくれ」
冷徹だったはずの皇帝は、アイリスの魔力(と性格)に胃袋も心も掴まれ、周囲が引くほどの過保護な溺愛を始める。
一方で、アイリスを失った王国は魔導サイクルが停止し、瞬く間に滅亡の危機へ。
「アイリスがいなければ何も動かない! 戻ってきてくれ!」と泣きつく王子たちに対し、帝国の最強皇帝が下した決断は――