あらすじ

四月、桜ノ杜中学校に入学した琴葉は、保健室の前で「悪の保健委員 募集」と書かれた貼り紙を見つける。放課後、保健室裏の空き倉庫に集まったのは、優汰・修摩・加梨。四人は“悪”を名乗りながら、誰かを責めるのではなく、胸の中の不安を「回収」し、代わりに深呼吸のやり方と小さな一歩を手渡す役を引き受ける。合図は、加梨の祖母の形見のラベンダークリスタル。励ましの飴玉は、校門の外だけで分け合う約束だ。  教室で言えない悩みは、友だち関係、発表前の手の震え、噂話の渦、家の空気の重さまで幅広い。四人は「危ない兆しを見たら必ず先生につなぐ」という線を守りつつ、香り袋、深呼吸メモ、靴ひもを結び直すみたいな小さな行動で、泣き顔のすき間に笑いを作っていく。  七月、商店街で起きたラベンダークリスタルの盗難の噂が学校にも波及し、“悪の保健委員”は「相談室ごっこ」とからかわれる。居場所が揺らぐ中、琴葉は「見える形の優しさ」を残すため、四人の約束と手当てを紙にまとめて先生へ渡す。最後は校門の外、夕焼けの下で飴玉を一つずつ。悪ぶった四人が、誰かの涙を守るために選んだやり方が、静かに次の深呼吸へつながっていく。

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エブリスタ
エブリスタ2026/01/11
  • 現在の作品悪の保健委員、悩みを回収します 飴玉とラベンダークリスタルの放課後