あらすじ

手がつけられないほど暴れ回る我が子に、疲れ果てていた母は、 ほんの一瞬だけ、心の中で願ってしまう。 ――少しでいいから、いい子になってほしい、と。 翌朝、子どもは驚くほど聞き分けの良い子になっていた。 騒がず、泣かず、言われたことを正しくこなす。 周囲はその変化を喜び、母も安堵する。 けれど、母だけが気づいてしまう。 その子の笑顔が、どこか人形めいていることに。 ふとした仕草や視線が、あまりにも“人間らしくない”ことに。 日に日に育っていく子どもを、 母は次第に「自分の子ではない」と感じるようになる。 しかし、周囲の誰もが、その子を“元の子ども”だと言い切る。 やがて母は、静かに、しかし必死に訴え始める。 ――私の子を、返して。 その声は、誰にも届かないまま。

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カクヨム
カクヨム2026/01/15
  • 現在の作品咲き替わる花