あらすじ
「オルトリンデ、貴様との婚約は破棄する! その不気味な鉄仮面を見るのも今日で最後だ!」
学園の卒業パーティーで、第二王子ヴァルダスは高らかに宣言した。
私の顔を覆う、無骨で黒い鉄の仮面。それは王子が言うような「醜さを隠すもの」でも「呪いのアイテム」でもない。
私の膨大すぎる『魅了の魔力』を抑え込む、国家指定の封印具だ。
これを外せば、視界に入る全ての人間が理性を失い、国が傾く。だからこそ、私は幼い頃から素顔を隠して生きてきたのに。
「王命だ。今すぐその薄汚い仮面を外せ!」
「……後悔なさいますよ?」
警告は無視された。ならば仕方ない。
私は王子の作成した『全責任は王子が負う』という誓約書を受け取り、静かに留め金を外した。
その瞬間、会場は地獄(あるいは天国)と化した。
王子が、側近が、令嬢たちが、白目を剥いて私に群がる中――。
「……チッ。全員、目を閉じろ。彼女は俺のものだ」
なぜか、強面で有名な騎士団長ジークハルトだけが正気を保ち、私を抱きしめて隠してくれて!?
これは、呪われた仮面令嬢が、その素顔ごと愛されるまでの物語。