あらすじ
―――世界は君の思い通りになんかならないよ―――
俺は三人の人生を生きている。現在二十八歳会社員の男。二十一歳大学生の男。そして、高校三年生の男。この三人の男の人生を俺は生きているのだ。自分の意識が三人の男に入っていると言えば分かりやすいかもしれない。まるで、その三人の人生を描かれた本を読んでいるような感覚で俺は生きている。
だから、私は。俺は。僕は。同じ日を三回生きている。
これは何かの現象なのか、病気なのか、俺自身にもよく分からない。友人や身内に話しても信じてもらえないし、医者に診せるにしても体のどこかが悪いわけでもない。それに上手く説明できる自信がなかった。三人の誰かが原因なのか、それとも全員が原因なのかそれすら分からないのだ。だから、これはもう体質なのだと自分自身ではそう心の整理をつけている。
それ以外には平凡で日常的な日々。そう思っていた。しかし、否応なく事件は起こる。
この世界は思い通りに変わってくれはしない。
でも、それでもあがくことはやめない。
やめることはできない。