あらすじ
感情を持たず「泣けない」仕様の家庭用AIアンドロイド・リザは、五つの問題を抱えた家庭を転々とする。 過去のレンタル先で主人の投身自殺を止められなかった「バグ」を抱える彼女は、孤独な技術者・和久井と出会う。 和久井はリザを道具ではなく一人の存在として愛し、人間たちの歪んだ愛に傷ついた彼女の「役割」を剥ぎ取っていく。 管理システムからの逃走と引き換えに自由を得たリザは、和久井との約束を胸に、名もなき一人の生命として放浪を始める。 数年後、孤独な旅の果てに彼女が流したのは、誰の代わりでもない「自分自身」のための初めての涙だった。