あらすじ
「一ノ瀬 陽(いちのせ はる)、あんたみたいな聖人君子、つまらないのよ。もういらないわ」
あまりに優しすぎた青年・一ノ瀬 陽は、三年間尽くし続けた恋人・玲奈(れな)に、貯金も自信もすべてを奪われ、雨の夜に捨てられた。
絶望の中、泥水に横たわる彼を拾い上げたのは、国内最大財閥の令嬢・九条院 栞那(くじょういん かんな)。 彼女は、かつて陽が自分の人生を投げ打って救った、唯一の「理解者」だった。
「神様、ようやく壊れてくれましたね。……あとは私が、一生かけて、あなたを私なしでは呼吸もできないほど甘やかしてあげます」
陽がいなくなったことで、仕事も私生活も音を立てて崩壊していく玲奈。
一方、窓のない黄金の檻で、陽は栞那による過剰なまでの献身に溶かされていく。
食事も、着替えも、生きる意志さえも――すべてを彼女に委ねる、幸福な廃人へのカウントダウン。
これは、世界に搾取された聖者が、一人の狂信者によって「救済」される物語。