あらすじ
※本作は中華圏の作家・迦兰多(Jialanduo)による書き下ろしです。
【あらすじ】
「次の停車駅は、あなたの『消化器官』の中です」
明治二十二年、文明開化の音が響く沼津。雨の降り止まぬ夜。 鉄道局の几帳面な運行管理員・高島秋彦は、信号所で「存在しないはずの列車」を目撃する。 それは時刻表にない「二十五時」を走り、石炭ではなく人間の時間を燃料として喰らう怪物、「黄泉機関車」だった。
鋼鉄の皮を被り、その下に鮮紅色の臓腑を隠し持った太古の巨獣。 無限に続く雨の夜、謎の退魔師・九条沙耶子と共に、秋彦は鋼鉄と肉塊が融合した地獄の列車へと挑む。 近代化の闇が生んだ、スチームパンク・ホラー。
【登場人物】
高島 秋彦(たかしま あきひこ) 鉄道局の運行管理員。時間に病的な執着を持つ彼が手にしたのは、存在しない「二十五時」への片道切符だった。武器は錆びた犬釘(レールスパイク)一本のみ。
九条 沙耶子(くじょう さよこ) 鹿鳴館風のドレスに身を包み、手には密教法具「独鈷杵」を握る謎の退魔師。機械の神には機械の呪文で対抗する、クールなハンター。
黄泉機関車(よみきかんしゃ) 一見すると最新鋭の蒸気機関車。だがその装甲の下には、脈打つ血管と人骨の車輪、そして数千の怨念を濾過する「肉の砂時計」が隠されている。