あらすじ
群馬県の水と緑と詩のまちの公立中学校に通う三年生・空野恒一は、
生徒会書記を務める成績優秀な生徒でありながら、
将来に夢も目標も持てず、「無職」という自由な立場に密かに憧れを抱いていた。
叔母の家で、実の兄妹ように育った売れっ子アイドル・星宮歌羽に冗談半分で「養ってもらえたらいいのに」と言い合う、そんな何気ない日常ーー。
しかし、修学旅行の最中、クラスメイト全員が異世界に集団転移させられる。
神により与えられたジョブ判定。
勇者、聖女、魔女、暗殺者、歌姫、魔剣士、巫女ーー
次々と高位ジョブを得て期待されるクラスメイトのたちの中で、
恒一に与えられたのは**「無職」**という最底辺の判定だった。
戦力外として勇者パーティーから外され、ただ一人で生き延びることを選んだ恒一。
彼の唯一の仲間は、神器にも等しい存在でありながら
「自分が何のために生まれたのか」を知らない不定形の存在ーー
ゼロスライムだけ。
一方、異世界では
「魔王を倒さなければ元の世界に戻れない」という現実を突きつけられ、
優秀なジョブを集めた勇者・守崎剣翔を中心に物語は進んでいく。
だが、ある日ーー
歌姫・星宮歌羽が魔王に攫われたという報せが届く。
「魔王を倒せばいい」
その論理の中で、歌羽は”優先度の低い存在”として切り捨てられる。
その瞬間、恒一は初めて自分で「選ぶ」。
ーー助けに行く。
たとえ無職でも、たった一人でも。
無職だけが持つ特異な力、零属性とスキルジョブチェンジを駆使して、次々とダンジョンを攻略していく。
その中で発現した恒一のユニークスキル《選択権(オプション・ゼロ)》。
それは強さではなく、
選び続ける覚悟を問う力だった。
人族、エルフ族、ドワーフ族、鬼族、竜人族、人魚族、ケットシー、ハーピィ、ラーミヤ、そして魔族ーー
神に近づくほど強くなっていく敵、
神の刺客、「マジカルガールズ」、「七つの大罪司教」。
世界の真実を知ってしまう魔女・黒葉夜乃、
支援と祈りを司る幼なじみ・流川奈緒、
仲間は少しずつ増え、
勇者パーティーとは別の道を進む恒一の選択は、
やがて世界そのものを揺るがしていく。
ーーこれは、
「何者でもなかった少年」が
選び続けた果てに、
大切な歌姫と、自由な未来を掴み取る物語。