あらすじ
映画館「銀星座」を訪れた大学生・相沢蒼は、卒論の取材中に支配人の銀川から一つの伝説を聞く。亡霊となった女優・白銀香織の映画『永遠の二十五分』が、午前零時二十五分に選ばれた観客だけに映るというのだ。
やがて蒼はその伝説を確かめようとし、香織の姿を銀幕に見る。映像は時に現実と呼応し、火災で失われたはずの映画が断片的に浮かび上がっていく。香織が命を落とした一九六五年の火事には、当時のプロデューサー・水原透と隠された真実が関わっていた。
蒼は真相を追い、香織の映画が映画界の暗部と北条監督の死を告発する内容だったことを突き止める。火災は口封じの末に起きたものであり、香織は最後まで真実を伝えようとして焼死したのだった。六十年後、老いた水原が銀星座に現れ、最終上映の夜に己の罪と向き合う。銀幕の中から現れた香織は、「罰するためではない」と彼を赦し、解放されて光とともに消える。
やがて映画館は取り壊され、香織の笑顔が最後に銀幕へ映る。蒼の卒論は高い評価を受け、水原は罪を告白して映画文化保存に尽力する。銀川も役目を終えて館を去り、跡地に「銀幕は永遠に輝く」と刻まれた碑が建つ。蒼はその光に香織の微笑みを見るのだった。