あらすじ
ある日、ネット上に一本の動画が投稿された。
コンビニの前で、人に噛みつこうとする老婆の姿。
たった十数秒の映像は、瞬く間に拡散され、軽口と疑念と恐怖を生み落とす。
それは病か、事件か、それともただの異常か。
やがて各地で似た症例が報告され、
医療現場は疲弊し、社会は静かに歪み始める。
避難所が作られ、対策が講じられ、
人々は「生き延びるための判断」を重ねていく。
種のために噛みつく者たち。
守ろうとする者たち。
そして、切り捨てることを選ぶ者たち。
これはゾンビの物語ではない。
派手なアクションも、明確な正義も存在しない。
極限状態の中で、
人が人であるがゆえに下してしまう「選択」と、
その先に残るものを淡々と描いた、静かなパニックホラー。
――狂っているのは、感染者か。
それとも、そう判断した人間たちか。