あらすじ
世間を騒がせる連続殺人犯・瀬戸。しかし、彼が「あまりに美しすぎる」という一点で、事件は奇妙な歪みを帯び始めていた。
SNSで加熱する加害者擁護、司法の場で叫ばれる「人権」の空虚さ。 かつての同級生である「俺」は、冷めた肉まんを頬張りながら、テレビの向こう側で神格化されていく瀬戸を眺めていた。法廷という名の密室で、詩的な美しさと事務的な手続き、そして瀬戸の「理解不能さ」が混ざり合い、正義と悪の境界線は溶けていく。 これは、救済の話ではない。ただ、顔のいい男がそこにいて、人々が勝手にその影に踊らされるだけの、ひどく不親切で断片的な記録。